野性味が引き立つ繊細なスパイス

細かな配慮をプラスして機能性とスタイルを両立

　大胆な中にもキラリと光る繊細な美。88ハウスマリンウェーブの手になるこのＪＫを表現するなら、そんな言葉を用いるべきだろうか。ロングアームキットを組み込むことで６インチというリフト量を獲得し、ビッグフットな38インチのシューズを履くそのアーキテクチャーは、オフロードスタイルのラングラーとしてはズバリ王道を行くもの。スパルタンなシルエットを作り出すフラットフェンダーも、この大胆さの演出に欠かせないアイテムといえる。
　だが、注目したいのはもっと小さな部分。たとえば、表情に効果的なアクセントを加えているフロントライトトリムだ。スチールのリングにボルトヘッドを散りばめたワイルドさ満点のアクセサリーながら、穴開け不要で装着可能という設計に繊細な配慮がうかがえる。リアコンビネーションランプのＬＥＤ化に併せ、バンパーにビルトインされたバックランプをスモール／ストップランプに変更するほか、バックカメラをリアゲートヒンジの樹脂パーツ、つまりもっとも目立たない部分に埋め込むなど機能と美の調和が実に絶妙だ。
　８インチディスプレイを備えたナビゲーションのワンオフインストールにも悪い意味でのカスタム臭がなく、セカンドシートには自然な姿勢で着座できるリクライニングキットを組み込むなど居住性、快適性にも細やかな配慮が見える。バンパーのスパイダーロゴにＬＥＤを仕込むあたりも、アメリカンＳＵＶとユーザーの嗜好を知り尽くしたマリンウェーブらしさ。大味になりがちなラングラーのカスタムには、このスパイシーな小技が抜群の相性を見せる。