世界に1台だけのスタイリッシュなラングラーを創り上げた男は、その生き様や仕事も個性的であった。目指すのは徹底的に自分仕様。その言葉の難しさと面白さを味わいつつ、このラングラーとともに世界に羽ばたく日が来るのだ。
マットな質感の大柄カモは、ジャングルのイメージと濃すぎないミリタリー色のバランスを考えて吉江さん自らが厳選したシートを使用したそう。
カモフラJKが照らし出すジャングルジムへの道しるべ
都内を代表する高級住宅地である麻布。大使館が立ち並ぶその奥に、カモフラージュ仕様のJKラングラー・アンリミテッドが、ライトアップされた木々の下にたたずむ。この建物、実はスポーツジム。といっても、一般的なガラス張りのそれとはまったく異なる。このジムの名は「ジャングルジム」。中に進むとオーナーの吉江一彦さんが迎えてくれた。
まずラングラーの話を伺う。経営するジムに来たお客さんを非日常へと誘うために外装はカモフラージュ仕様にラッピング。ただし普通のカモフラではなく大柄で、しかもマットな質感のカラーを厳選。ホイールはロックスター2のマットブラックで、シックなポップさを入れることでカモフラのミリタリー感を調和させている。このセンス、すべて吉江さんが自ら選んだというから驚きだ。
そして驚くべきはジムの内部。若き日に世界を旅し、さまざまな土地で刺激を受けた吉江さんが目指すのは、従来のジムとはまったく異なる空間。ハリーポッターの映画を手がける美術チームの手になる内装はまるで映画の1シーン。ジムには本格的なマシンはもちろん、ホットルームでのトレーニングなど、効率的なエクササイズも可能となっているほか、シガーバーまで備えているのだ。
ジャングルジムは、経営者、文化人、芸能人などの支持を得て、これまで都内に3店舗を手がけてきたが、来年には上海など海外進出の予定。固定概念を打ち壊すセンスでトレーニング界に新風を吹き込む吉江さん。このカモフラ・ラングラーは、そんな吉江さんのセンスの結晶でもあるのだ。
ラッピングのバランスが絶妙なのが、ピラーはラッピングしつつもルーフやリアパネルはマット塗装のみという点。また、ヒンジにはカバーを装着するなど、細かな点のカスタムも忘れていないのだ。ホイールにポップなデザインを採用したり、リフトアップをしないため、過剰な威圧感を与えないのも吉江さんのセンスのなせる技だ。
カモフラ・ラングラーは
吉江さんのセンスの結晶!
日本初のパーソナルトレーナーとして、アーティストの身体をデザインしてきた吉江さん。いまでも、高橋克典さんやSEKAI NO OWARIのFukaseさん、紗栄子さんらのトレーナーとして活躍する傍ら、六本木などにジムを設立。コンセプトは健康・食・文化・アート・ファンタジーを融合した、まったく新しい世界を創り出す。来年には海外にも進出予定だ。
誰も見たことのない世界観でスポーツジムをデザインする
ウエイトのマシンを見てここがスポーツジムであることを実感できる。それくらいジャングルジムは一般的なジムとは異なる。アートでありながらワイルドなこの空間で、アーティストたちがボディメイクに没頭するのだ。
まるで物語のワンシーン独創的な世界に包まれる
さまざまなアーティストのパーソナルトレーナーとして活躍した吉江さんがオープンしたのが「ジャングルジム」。その世界観は、アドベンチャーやファンタジーが緻密に絡み合い、迷い込んだ旅人を飲む込んでいくかのよう。入口のラングラーは訪れた人をジャングルジムの世界へと誘う道しるべの役目もあるのだ。「ジムはこうあるべき」といった固定概念を完全に打ち崩すジムは、アーティストやセレブを中心に多くのファンを獲得。そんな吉江さんの夢は、世界中にジャングルジム(JG)をオープンし、JGブランドのカモフラ・ラングラーを走らせることだという。その第一歩が来年、上海からスタートする。
これらはすべて普通の家を改築してデザインした。欧州の300年前の屋敷を100年前に吉江さんがリノベーションしてジムに仕上げたというのがコンセプト。
内装のデザインはハリーポッターの美術チームが担当。コンセプトにしたがって忠実に柱などをデザイン。廊下などはまるで古い教会のバックヤードのようだ。
PHOTO & TEXT:石上智章
こちらの記事は
JeepStyle2017からの記事となります。