他ジープモデルを一挙に紹介
2014年、フィアットとクライスラーが合併し「フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)」が誕生。以来、FCA内のブランドは各国で販売網が棲み分けられているが、ジープはグローバルブランドとして展開する意向となり、そのブランド力を強化する方針が取られた。また、それぞれのブランドが車種を統合し、グループ全体でのスリム化を図ってきたが、ジープは前述の方針もあり、その影響をあまり受けることなく現在に至っている。2020年現在、北米市場ではJLラングラーを含め、全5車種をリリースしている。
RENEGADE(レネゲード)
ジープ・ブランド初のスモールSUV
ジープ初となる小型SUVとして、2014年にラインナップされたレネゲード。開発は、フィアットとクライスラーの共同で行われ、そのデザインのモチーフはウィリスMBという噂もささやかれている。またテールライトレンズなど車両の各部にはジェリィカン(軍用車に使われた携行缶)特有の「X」のプレスを連想させるデザインを注入しているのが特徴。全長4255mm&全幅1805mmのコンパクトなサイズとその愛らしいキャラクター性で、これまでのJEEPファンとは異なる幅広い層から受け入れられ、また北米市場よりもヨーロッパ圏を中心に人気モデルとなった。
シャシーは、GMとFIATで共同開発した「GM FIATスモールプラットフォーム」を発展させた「スモールワイド4×4アーキテクチャー」を採用。FFを基本とし4WDも用意される。パワートレインは、市場に合わせて多種多様だ。1ℓ~2.4ℓガソリンエンジンだけでなく、1.6ℓと2.0ℓディーゼルもラインナップ。2019年型からマイナーチェンジが実施されており、エンジンを含めたパワートレインの変更や、フェイス周りもデザインを刷新している。
日本導入の正規モデルは、Longitude、Limited、Trailhawkの3グレードで、いずれもターボ付1.3ℓ直列4気筒を採用(スペックはTrailhawkのみ異なる)。Trailhawkだけが、4WD車となっている。ちなみに「Renegade」の名称は、過去に1970~1986年型のCJシリーズにオプション名として採用されていたものだ。
基本となるのエンジンは、マルチエアテクノロジーと直噴方式を採用することで、牽引力の高いトルクを発生させるとともに、低燃費と低排出ガスを両立。また「停車時には、エンジンを自動的に停止し発進時に再始動させる」というSTART&STOPシステムとの組み合わせでさらなる燃費の改善を達成。正規モデルのインテリアは、LongitudeとTrailhawkがファブリック、Limitedのみがレザーのシートを採用している。LongitudeとLimitedには6速乾式デュアルクラッチオートマチック、Trailhawkには電子制御式9速オートマチックを採用する。
FIAT 500X
2007年に復活したフィアットの名車「500」。そのデザインコンセプトを継承し、SUV化したのが「500X」で、2014年秋に登場した。実は、レネゲードとはプラットフォームとメカニズムを共有する兄弟車である。日本でも2015年から正規輸入が行われている。
text by 編集部
PHOTO:https://www.jeep.com