’07年当時、ジープ初の4ドア版として”アンリミテッド”が登場
オリジナル・ジープの系譜に、初の4ドアモデルとなる「アンリミテッド」がラインナップしたJK型。本格的クロスカントリーモデルであり、ジープを象徴するモデルでもあるラングラーは、アンリミテッドの登場によって再興したのである。その唯一無二のキャラクター性を持つモデルとして、現在でも多くの人を魅了して止まない。
2007〜2010
軍用車に始まり、民生のクロスカントリーモデルとしてCJが誕生。そのCJから、オリジナル・ジープの系譜を脈々と受け継いできた生粋のオフロード車“ラングラー”に、4ドアモデル「アンリミテッド」がラインナップされたのが、この先代モデルのJKである。
JKラングラーは2007年型としてスタート。そのひと世代前にあたるTJラングラー(1997〜2006年)に比べ、大幅にサイズアップしたのが特徴となっている。また、それまでは2ドアモデルのみのラインナップだったため、一部のマニアのための本格的なクロスカントリー車という位置付けであった。だが、4ドアモデルの「アンリミテッド」が登場したことで、SUV的な性格も併せ持つモデルとして多くのユーザーに受け入れられ、人気が飛躍的にアップした。
さて、ここからは国内市場へと話を移そう。JK型は、2007年3月から正規輸入がスタート。2ドア版は、ソフトトップ仕様のベーシックな「スポーツ」、充実した装備と脱着可能なハードトップ仕様となる「サハラ」、オフロード性能を高めた「ルビコン」を用意。4ドア版のアンリミテッドは、脱着可能なハードトップ仕様が標準で、シンプルな「スポーツ」と豪華装備の「サハラ」がラインナップされた。それから約1年後となる2008年4月には、アンリミテッドに本格的なオフロード仕様となる「ルビコン」が追加。アンリミテッド・スポーツが、400万円を下回る379.1万円という価格設定(その後、さらに据え置きの369万円という時期もあった)も人気を大きく後押しした。
本国仕様では、2011年型にはマイナーチェンジが行われ、インテリアを中心にデザインを変更。また、2012年型からはパワートレーンが一新され、3.6ℓV6ペンタスター&5AT仕様へとアップデートされた。
国内では、常時納車待ち状態が続く人気モデルであったJK型。新型JLがリリースされてもなおJK型の人気は衰えることはなく、中古車市場でも高値安定の状況が続いている。
2011〜2017
マイナーチェンジでモダンなインテリアへ
JKは、2007〜2010年型を前期、2011〜2017年型を後期に分けることができる(本国仕様において)。特にインテリアのデザインが大きく変わっている。パワートレインに関しては、2012年型から変わっていて、3.6ℓV6ペンタスター(DOHC)&5AT仕様へと格段に進化。
前期モデルと比較して、一気にモダンになったインテリア。なだらかなラインで構成され、乗用車的なデザインとなっている。
正統派モデルの2ドアは本格的なオフロード車
オリジナル・ジープの系譜を受け継ぐ2ドアも忘れてはならない。アンリミテッドのホイールベースは2945mmだが、2ドアは2423mm。全長は4185mmで、前後のオーバーハングが短いため、起伏の激しいオフロード走行では圧倒的な性能を発揮してくれる。
ジープの魅力にプラスα 限定車や特別仕様車が豊富
通常のグレード以外にも限定車や特別仕様車が豊富にラインナップ。中古車市場でも多く見受けられ、人気が高いようだ。代表的なのが、ゲームソフト「Call of Duty」とコラボした限定車(写真はUS仕様)である。
text by 日比野智己
PHOTO:https://www.jeep.com