ビーチ解放!
とことん遊んで!とことん楽しむ!ジープだらけの一週間!
右を向いても、左を見ても、街中のどこもかしこもジープ。
フロリダ州デイトナビーチの初夏の風物詩として開催される世界最大のジープの祭典。
ジープ×ビーチ=天国の公式に夢うつつの一週間をリポート。
デイトナビーチをあげてのお祭りといえば、今年で78回を迎えたデイトナバイクウィークが有名だ。ハーレーを中心としたバイクファンが延べ50万人規模で集まる恒例行事だ。
それに加えて今注目されているのが、今やデイトナビーチが誇る、街をあげての一大イベントに成長した『Jeep Beach』。しかしその歴史はわずか10年と意外にも浅い。第一回目が行われたのは2009年。当初は一般的なカーショーと同じく、オーナーたちが愛車を並べ、地元のわずかなショップやパーツメーカーがブースを展開するのみだった。開催はわずか2日間。
しかし、回を重ねるごとに本格的な特設コースでリアルなオフロード走行が楽しめたり、日曜日にはデイトナビーチでジープオンリーのパレードランを決行したりと、イベントは大盛況。その模様はSNSを通してたちまち全米、全世界に伝播した。そして気付けば3000台強のジープが集うビッグイベントへと急成長したのである。
2日から1週間へと拡大された期間中には、街のあちらこちらでさまざまな催しが開催される。デイトナ・スピードウェイのメインイベントはもとより、各メーカーが主催するパーティやコンサート、花火大会にクルージングなど、毎日がカーニバル状態だ。会期中はストリート、ホテル、レストラン、ガソリンスタンド、砂浜(デイトナビーチはクルマの乗り入れがOK)など、街全体がジープで埋め付くされる非日常の7日間。ファンにとってはワクワクが止まらない魅惑の異空間である。
愛車でビーチを走れるなんてまさにジープ天国!
フロリダ州デイトナビーチに世界中のジープファンが愛車で集結する『Jeep Beach』。ここデイトナビーチはクルマの乗り入れが許される数少ない場所。もちろん制約はあるが、期間中は自由に砂浜を走ることもできた。
Daytona Beach, Florida
何でもアリのジープビーチ、興奮さめやらぬ盛り上がり!
段の生活では、まず聞くことのない“カッコーン!!”という音がクルマから発せられる。その直後にドッと沸き起こる歓声。歓喜を叫ぶ者や、ため息交じりに落胆を声にする者。同時にあちらこちらで携帯電話のシャッター音が重なる。カッコーンの正体は、トランスファーケースやデフがコンクリートの障害物にヒットした音だ。ドライブシャフトが吹っ飛んだり、トランスファーから煙りを上げ、立ち往生する車両が後を絶たない。
故障上等。汚れてナンボ。デイトナ・スピードウェイは、今年もあふれんばかりのジープたちが集う『Jeep Beach 2019』にジャックされた。そこには1000台を超えるジープが集まり、オーナーたちはインフィールドに設営された特設コースを自慢の愛車でウデ試しをする。エキスパートコースでは脱落者が相次ぎ、ショベルカーでレスキュー。のんびりした雰囲気のビーチとは異なり、ここではアグレッシブなアトラクションがメイン。いずれにしてもその過酷さはハンパじゃない。右を見ても左を見ても、本場のジープ乗りのタフさに興奮が止まらない。
さて、今年の『Jeep Beach 2019』では、2020年モデルとしてリリースが決定しているピックアップトラック、グラディエーターが主役。会場には試乗車も用意され、オフロードコースでのデモ走行が体験できた。もちろん貴重な体験ができるとあって、並ぶのがニガ手なアメリカン人も長蛇の行列に加わっていた。
ジープファンなら一度は行きたいジープビーチ!
特設コースの隣には200ものベンダーがブースを展開、最新デモカーや新製品を展示販売。ビーチクルーザーとしても人気のラングラーには、外したドアのヒンジに取り付けるステップが大人気。また、今年はインナーフェンダーのカスタムが目を引いた。
Thanks:BRUISER CONVERSIONS www.bruiserconversions.com
Text:林 剛直 Takenao Hayashi(So-cal International)