比類なきモディファイで新次元の走りを体感

ジープの大きな魅力は、その豊富なパーツラインナップにあるといっても過言ではないだろう。あらゆる種類の多彩なパーツを効果的に組み合わせることで“自分だけのジープ”を楽しんでいるオーナーは決して少なくない。
　とはいえこれらの多彩なパーツ群を単に取り付けるというだけでは、むしろバランスが悪くなり、かえって走りにくくなってしまう可能性も否定できない。高性能パーツのパフォーマンスをしっかりと生かすことができる“プロショップ”を選ぶことも、ジープライフを送る上では欠かせないのだ。
　大径40インチタイヤが圧倒的な迫力をかもし出すこのＪＫは、愛知の４ＷＤプロショップ「ホールショット」の手によるカスタムだ。あらゆるパーツを積極採用しつつ、豊富な知識とノウハウを動員し、たぐいまれな走行性能を実現した。
　「オフロード走行を楽しみたいが、あまり車高は上げたくない」というオーナーの要望を受け、足まわりを徹底カスタム。コイルはＳｙｎｅｒｇｙ ＭＦＧの３インチに、ショックはＦＯＸをインストールする。同時にアームはオフロードＥＶＯのハイクリアランスロングアームに換装。クリアランスを最高にするために、リアロアアームのフレーム側とホーシング側のマウントを加工しロアアームの角度を最適化し、リアのショックマウントはホーシング側を加工し最低地上高も向上させる。またワンオフのバンプストッパーで、フルボトム時にタイヤがフェンダーに当たって破損することもないのだ。エキゾーストはドライブシャフトとの干渉を避けるためａＦｅＰＯＷＥＲ製エキゾーストパイプを採用。ほかにもオフロードＥＶＯを中心にさまざまなパーツを投入。これらを効率的に動かすための加工、セッティングも抜かりはない。
　足まわりを徹底的にカスタムしつつ、オーナーは「いかにもハイリフト」といった雰囲気を嫌ったため、ＪＫらしさを尊重したカスタムを敢行。グリルやボディのカットを最小限にとどめつつ、前後バンパー類やリアキャリア等、ルックスを印象付けるパーツはオフロードＥＶＯで統一。フェンダーはＡｒｉｅｓ Ａｕｔｏｍｏｔｉｖｅとし、無骨な雰囲気をより強調した。ロックスライダーはドアの開閉にステップが連動するタイプを装備しており、オフロードだけではなく普段使いにもしっかり配慮した。もちろんインテリアのカスタムも抜かりはない。Ｒｕｇｇｅｄ ＲｉｄｇｅやＭＯＰＡＲといった有名メーカーのパーツをふんだんに導入することで快適なドライビングも楽しめる。
　落ち着きさえ感じさせるたたずまいながら、徹底的なカスタムで圧倒的な走行性能を発揮。その卓越した走行性能は、クロカンはもちろん、普段使いでも活躍しているという。幅広い走行シーンをカバーする足まわりを構築するノウハウとビジュアルのセンスは、これまでにさまざまなタイプのジープを手がけ、それらをあらゆる状況下でハードに走らせてきた同店だからこそなせる業と言えるだろう。

JKのスタイリングに秘めた圧倒的走破性

1質実剛健と言った雰囲気のオフロードEVO製フロントバンパー。ウィンチはもちろんWARN。2MAXXIS40インチタイヤが圧倒的な迫力をかもし出す。3バンプストッパーをワンオフで製作。フルボトムしてもタイヤがフェンダーにヒットするようなことはない。4Rock-Slide Engineeringのステップスライダー。ドアを開けるとステップが飛び出し、乗り降りも楽ちんだ。5巨大なスペアタイヤがド迫力のリアビューをつくり出す。バンパー、キャリアはオフロードEVOだ。6デフロックのスイッチはメーターの左に配置され、操作性良好。各種メーターはモニターで表示される。7コーナーガード（オフロードEVO）が無骨なイメージを強調する。競技会、走行会等を考慮したフェンダーに、このクルマのホンキ度が垣間見える。

1オフロードでの走破性を重視しつつ、リフト量は控えめにしたかった。最低地上高を確保するべく、あらゆる手がほどこされる足まわり。2ラテラル補正は延長キットではなく、ワンオフブラケットをホーシングに溶接。3エキゾーストパイプはプロペラシャフトとの干渉を避けるべく大きくカーブ。4オフロードEVOのロングアームは加工されたピボットで支持される。5ハードな路面を想定してホーシングもしっかりと補強。6Synergy MFGの3インチコイルにFOXのアブソーバを組み合わせる、ワンオフのバンプストッパーを追加。7リアショックのマウント部もハードな路面の走行を想定して加工されている。