27年越しに再登場したジープのピックアップモデル
新型ラングラーがデビューして間もなく発表された「グラディエーター」。2018年末にお披露目され、本国アメリカでのリリースは2019年春にスタートした。JLラングラーをベースとし、ダブルキャブのキャビンを持つこのモデルは、コマンチ以来となる27年振りに登場したジープ製ピックアップトラックとなった。
JLラングラーが市場に投入され、その翌年にデビューしたのがグラディエーターである。アンヴェイルは、2018年末に開催されたLAオートショーであったが、ほぼ同時に生産がスタートしていた。デリバリーが開始されたのは2019年の春で、ジープ・ブランドにおいてチェロキーをベースとした「コマンチ」が、1992年のラインナップから消えて以来、27年振りとなるピックアップトラックの市販化が現実となった。
そもそもJKラングラーがヒットしたことで、JKラングラーをベースとしたコンセプトカー「グラディエーター・コンセプト」を2005年に発表するなど、ジープとしてはかねてよりピックアップトラック市場へのアプローチを行ってきた。それだけに、ジープ・ファンにとってはもちろん、ピックアップトラック・ファンにも、このグラディエーターは待望のモデルであったことは確かである。
このグラディエーターは、JLラングラーをベースにピックアップトラック化したモデル。フロントセクションやキャビン内部など、その大半はJL型と同様である。また、アンリミテッドに対しフレームは約31インチ、ホイールベースは約19インチほど延長。ダブルキャブのキャビンとベッドを組み合わせたピックアップトラックとなった。
メカニズムに関してもJL型をトレースしており、3.6ℓV6ペンタスターを基本とし、8ATもしくは6速MTが選択できる。3.0ℓエコ・ディーゼルに関しては、本年の夏頃に追加投入される予定とのこと。現在のグレード展開は、SPORT、SPORT S、OVERLAND、RUBICONの4タイプで、約3万3000ドルからラインナップしている。
グラディエーターは、2020年トラックオブザイヤーに輝いたお墨付きのモデルである。また、ジープ・ジャパンによる正規導入に関しては未だ発表されていないものの、並行輸入車として少しずつだが国内でも見かけるようになって来ている。
ミッドサイズ・ピックアップトラックではクラストップとなるオフロード性能を持っている。パートタイムのコマンドトラックとロックトラックを備えており、クローリングモードも備え、ジープの名に相応しいスペックが与えられている。
ドライブトトレーンを守るシールド!
ピックアップトラックであるのと同時にジープであるグラディエーター。ラングラー同様に、パワートレーンはオフロードを走行することが前提にあり、それをカバーリングするためにフロア下にはスキッドプレートが各部に備えられている。写真のように、トランスファーケースやガソリンタンクへのダメージを防ぐようカバーされているのが分かる。
PHOTO:https://www.jeep.com
text by 日比野智己